月刊SPA
‘21年に26万軒を突破(※厚生労働省の「令和3年度衛生行政報告例」調べ)し、過去最高軒数を更新した美容室業界。競争がますます厳しくなる一方で、生き残りをかけてさまざまな工夫を行っている。
前職で身につけたスキルが立地選びの決め手に
「うちのお店は2022年5月にオープンしました。その半年前に、現在も売りにしている『髪の生えグセ・髪質を改善するカット技術』の無料体験を先行して実施し、好評をいただいていたとはいえ、コロナ禍での開業は正直不安もありました」 そう当時を振り返る福岡県の美容室「エルプラスヘアー」代表の浅富総平氏。浅富氏は軌道に乗せるために、美容師でありながら店舗の立地選びから集客・売上増加のための施策まで、あらゆることに尽力してオープンにこぎつけた。 「以前、60店舗ほど運営する美容室チェーンに勤めていた際、スーパーバイザーを担当していました。立地選びは当時の経験がいきましたね。フランチャイズ事業を進める中で、人の流れを考えたうえで立地を決める知見が身につきました。 当サロンは私たちがターゲットにしている40~60代の女性人口が、福岡で一番密集している住宅街で営業しています。最寄り駅から徒歩3分で駐車場があり、店舗横にスーパー。そのうえ、周辺に競合美容室がない好立地です」
売上増加のきっかけは「店舗運営システム」の導入
集客・売上増加のために行った施策はYouTubeで学び、わからないことがあれば、セミナーにも参加して学んだという浅富氏。 「できることはすべて網羅しようと、WEB広告、WEB集客サイトへの登録やGoogleビジネスプロフィールといったものから、店舗近くのスーパー敷地内でのチラシ配り、店舗周辺でのポスティングも行いました。あとは、店舗運営に役立つアプリも導入しています」 特に手応えを感じた施策は「店舗運営システム」だという。 「店舗運営システムを導入したことで、顧客に合わせたセールスやアフターフォローが自動配信で行えるように効率化を実現。広告費用や管理システムに高い費用をかけなくてよくなったので、大幅なコスト削減もできました」